夏休みもだんだんと残り少なくなり、塾生に「どう、宿題はだいじょうぶ？」と気遣う言葉も毎年この時期の枕詞のようになっている。さてその反応はというと、まだだいぶ残っているというのが、たいていの返事だ。休み明けのテストを意識すれば、こちらとしては「ほぼ出来上がって見直しの段階です。」という返事を期待したいが無理なようだ。どうして進まないかと言うと、宿題はおもしろくないという一言に尽きる。それと宿題の量が多すぎる。勉強といっしょにしては失礼だが「草取り」に似ている。先日も2ヶ月ぶりで田舎の在所に行ってきたのだが、夏の2ヶ月の雑草の量はたいへんなものだ。家の隣に放置された畑があり、その境目の我が家の通路は畑から出てきた葛の蔦で覆い隠されていた。こんなにたくさんではどこから手をつけたら良いかわからない。始めは適当な場所から始めた。2時間もすると疲れと飽きが来る。それで今度は反対側に回ってやってみる。それがすむと今度は別の方角から。それから水分の補給をして休憩を取る。そのうちにひとかたまりの場所が終わる。宿題も草取りも何かを作り出しはしないから、おもしろくはないが、根気は養成される。まあ宿題は理解が深まり、成績向上の手段にはなるところが草取りと違うところか。私は草取りも勉強もするが、草取りにも勉強にも必要とされる資質は強い意志と体力ではないかという思いに至っている。体力の増進する若い時が頭を鍛える時期だと思う。