英語の勉強のスタートはまずアルファベットを覚えることから始まる。塾ではパソコンを使ってキーボードからの打ち込みをやるが、キーの文字は大文字だから大文字しか覚えられない。それで小文字が画面に出るようなソフトを使い、小文字が画面に出たらその大文字を打つような練習をする。
　さて英語にはなぜ大文字と小文字があるのだろう？疑問を感じたことはないだろうか。調べてみると、紀元前１～２世紀には、まだ大文字しか存在していなかったようだ。やがて文字が普及してくると、多くの人が文字を使用することになった。その文字を当時はなめした羊の皮（羊皮紙）に書き綴っていた。しかし羊皮は高価で、できるだけ小さな文字で書き綴る必要が出てきた。そこで小さな文字＝小文字が登場することになったようだ。こうすることで、限られたスペースに今までより多く文字を書くことができるようになった。それと、「素早くたくさん書くことが必要になると、文字は書きやすいように、徐々にくずれて丸くなっていった」これが小文字の始まり、という説もある。
　では大文字はどうなっていったのか？……小文字ばか使っていると体裁にメリハリがなくなるし、そのうち活字印刷ができるようになると、目立たせたいところには大文字をつかうと文章が格好よくなる。こうして18世紀なかごろから文章の初めと固有名詞の初めに大文字を使うようになったようである。