「う～ん、う～ん。今までろくに追ってなかったせいで、政治経済の様子が新聞を読んでいてもイマイチわかりません。どうしたらわかるでしょうか。」元塾生からの質問である。卒業していった塾生から時々こうしたいろんなメールがはいる。中学生の勉強は解答ができるような問題を解く訓練はするが、こうした時にどうすればいいかという様々な問題に対処する方法を見つける訓練はしない。私はこの質問に次のように書いて返信した。「政治経済のニュースは新聞だと毎日読んでいないとよくわからない。それで週刊誌がまとめてあるからこれを利用するといい。週刊誌もいろいろあるから読み比べて相性のいいものを選ぶ。買ってもいいが市民館や図書館にどっさりおいてある。週刊誌の次が月刊誌、これは重要なところをまとめて掘り下げてある。」・・・実はこれは私が就職して1年目にマーケティング室という部署の室長から教えていただいた方法である。インターネットの使える現在はその気になれば情報はいくらでも集まるのでネットの情報でもいいのだが、やはり雑誌や本になったものが信頼できそうだ。前述の室長の影響で、今でも元旦の新聞や新年号の週刊誌、月刊誌は購入して保存する癖が残っている。”人生、いたるところに師あり”というが、問題の解決方法はやはり最初は誰かに教わっているものだと思う。そして、どうしたらいいか教えてほしいと思う時が、いちばん頭に入るときだろう。何も問題意識を持たないものに教えても、知りたいと思う時がこないとだめだ。しかし制度化された小学校、中学校の義務教育は待ってくれない。漢字字典で調べると「免」（やっと抜け出る）と「力」を合わせた「勉」とは、狭い門を通り抜けようとして、無理に力を入れて頑張ることをあらわす。一方的に教えられる、無理に学ばねばならないという「勉強」という時代がしばらく続くわけだ。