家の近くでギャーギャーと鳴く嘴と足が黄色で、すずめとハトの中間くらいの大きさの鳥がいる。春から夏にかけて繁殖するムクドリだ。街路樹にびっしりと群れになっているのを見たことがあるだろう。そのムクドリが我が家の2階の屋根の内側に巣を作り産卵した。一ヶ月ほど親鳥が餌になる虫を頻繁に運んで育てていたが、数日前に巣立ちが始まった。巣の材料である枯れ草がたくさん散らかっている様子をみると、元気のあるものから我先に飛び出していったにちがいない。同じように餌を与えているつもりが、元気な雛と弱い雛では餌の量に差が出るのだろう。口をより大きく開けて、ピーピーと大きく鳴くほうに餌を与えてしまうのではないか。
　巣立って静かになったと思っていたら、2羽が巣から飛び立てなくて落ちたのだろう、庭の隅でうずくまっていた。しかし羽毛はしっかり生えていて飛び立てそうだ。手を近づけると、口を大きく開けて餌を催促する。きっとまだ飛び立てないのに元気に巣立つほかの鳥に押されて落下したのだろう。近くで餌をくわえた親鳥が鳴き声を頼りにその子供を捜しているようで、せわしなく地面を歩いていた。あくる日にはもういなくなっていたからぎりぎりのところで飛びたてたのではないか。
　さて鳥に関係することわざがいろいろある。☆一石二鳥（一つのことをすることによって、同時に二つの利益や成果を得ること。）　☆立つ鳥跡を濁さず（あとで来る人に迷惑にならないように色んな物事をきちんと片付けて行かなければならないということ）　☆能ある鷹は爪を隠す（優れた能力の持ち主は、それを他人にひけらかしたりはしないということ）身近にいて観察しやすい鳥は、昔から人との関わりが強いのだろうと思う。