中学2年生の恒例行事「ビッグウオーク」が行われた。天候は冷たい強風の吹く荒れ模様で、雨も降り出し、これは途中で中止になるのではと思ったが、雨は止み、45キロの距離をなんとか歩き終えたようだ。体格や体力の違いにかかわらず、自分の力で成し遂げた後には相当の満足と達成感がある。それは「逞しくなる」につながる。
　さて、この45キロを歩くと聞いたときに、海岸線を歩いて測量し、日本の地図を作った伊能忠敬を思い出した。中学の歴史の教科書にはこう記されている。「19世紀はじめには、民間出身の伊能忠敬がヨーロッパの観測技術で、全国の海岸線を測量し、正確な日本地図を作りました。」わずか2行の記述だ。
　忠敬は50歳で、営んでいた酒造業を息子に譲り隠居し、暦学の勉強を始める。そして西暦1800年、55歳の時、180日間かけて奥州から蝦夷地を歩測で測量する。これが第1次観測で、それから1816年の第10次観測まで17年間にわたる測量が続いた。
　1818年、73歳で亡くなる。1821年に「大日本沿海輿地全図」として地図は完成する。
根気強く、几帳面な正確、忍耐と努力の人だったという。4千万歩を歩いた忠敬、推定の身長は160センチ、体重53キロであったという。